梅雨空のもと、19日、約3カ月遅れてようやく開幕した「球春」。各地の試合は、新型コロナウイルス対策のため無観客で行われたが、開幕を待ちわびた全国のプロ野球ファンたちが、熱い声援を送った。それでも「密」の応援は回避するなど、新型コロナ感染防止に配慮。「新しい日常」下での新たなプロ野球観戦スタイルも、本格的に始まった。

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東京・新橋にある元プロ野球選手小田幸平氏が手掛けるスポーツバー「Good A」では、収容人数50人を、15人に限定して店を開けた。

試合開始前から開幕を待ちわびた客が訪れ、約1時間で定員いっぱいに。手作りというアクリル板でテーブル席に仕切りを作り、入り口では検温し手に消毒液を散布。飲食する以外はマスクを常に口元にするように指示しながら、本塁打が出るたびに、店内はエアタッチで喜び合う姿が見られた。

世田谷区から訪れた男性(35)は「球場に行きたいけれど、ユニホームを着て見られるだけでうれしい」と笑顔。店の園田貴志マネジャー(44)は「久しぶりにたくさんのお客様がいらしてくれて本当にうれしい。距離を取っての観戦で、正直、もっとたくさんの人で大声で観戦してほしいというジレンマもあります。早くコロナが収束してくれるのを祈りたい」と話した。