松井一郎大阪市長(56)吉村洋文大阪府知事(45)が5日、大阪市北区の「こども本の森 中之島」の開館式に出席した。

同施設は建築家の安藤忠雄氏(78)が設計し、市に寄贈した図書施設。子どもが本を手に取り、創造力や好奇心を育むことを目的とする。当初は3月1日に開館予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期となっていた。

松井市長は「税金で作ったものではない。安藤先生、大勢のみなさんに賛同、寄付をいただいて、運営も寄付でやっていこうと。次の世代に向けた最高のプレゼントをいただけた」と喜んだ。

吉村知事は大阪市長時代に、安藤氏から「大阪で未来に向けて創造力を働かせられる図書館を作れないか」と提案されたことを振り返った。同施設のために多くの寄付金が集まったことに「大阪の未来を担う子どもたちへの思いが集まった寄付」と話した。開館式に出席した子どもたちには「これから難しい時代ですが、創造力、決断力が1歩踏み出す勇気。本の世界に入って養ってほしい」と語りかけた。

開館式には安藤氏と同施設の名誉館長を務める京大の山中伸弥教授(57)も出席。安藤氏は「税金でなく、市民みんなの力でやっていけるのは初めてじゃないかと思う。生きてる限りサポートしていきたい」と約束した。

山中教授は子どもたちに「いい友達をたくさん作ること」と「いい本をたくさん読むこと」の2つのメッセージを送り「本は時間と場所を超えて多くのことを学ぶ絶好の機会」と説明していた。

同施設は新型コロナウイルス対策として、入館は事前予約制となっている。密集を避けるため、定員は1回あたり50人の90分入れ替え制にするなどの対策が取られている。