東京都の小池百合子知事は10日、会見で新型コロナウイルスの感染者が新たに243人確認されたと明らかにした。9日の224人に続き最多を更新、連続で200人を上回ったのは初めてだ。夜の街関連の感染者は110人、感染経路が不明なのは101人。感染拡大が懸念される中、国や都には、感染予防策など早急な動きが求められている。

都内では初めて、感染者200人超えを2日続けて記録した。小池知事はこの日の定例会見で「さらに警戒が必要な段階。このように認識している」と危機感を示した。

一方で、小池氏は、都内の増加は検査体制が整備されてきたことが背景にあるとの認識を示し「自らの健康状態を知った上で、感染しない、させないことが広がることは、むしろ是として受け止めるべきではないか」。現状について「ステイホームを続けるよりは、皆さんが(感染に)気を付けて新しい日常をつくっていく過程だ」との認識を示した。

都によると、243人のうち、ホストクラブやキャバクラの従業員や客といった夜の街関連の感染者は110人。新宿近辺のホストクラブの集団検査が6店舗で47人含まれている。年代別では20代と30代が計186人で、感染経路が不明なのは101人だった。

この日夜、内閣府で西村康稔経済再生担当相や専門家、感染事例が多い新宿、豊島両区長らと感染防止策を協議。小池氏は「夜の街で働く人たちに定期的な検査を受診し、相談窓口などを設置する」などとし、夜の街への感染予防対策について、関連者への積極的なPCR検査の拡大や、業態ごとのガイドライン順守の呼び掛けや感染症対策への支援、国から保健師を派遣するなど保健所機能の強化や夜の街向けの新たな拠点の設置などを挙げた。西村氏も「夜の街などで集中的に検査し、封じ込める」と述べたが、具体的な対策としては物足りない内容だった。

第2波が来るのか? 再び緊急事態宣言が発令されるのか-。都民の不安は高まり、首都圏や各地からも感染拡大への懸念の声があがる中、国や都には早急な対策が求められている。