将棋の最年少タイトルホルダー、藤井聡太棋聖(18)が最年長タイトルホルダー、木村一基王位(47)に挑む第61期王位戦7番勝負の第3局が4、5の両日、有馬温泉(神戸市北区)の老舗旅館「中の坊瑞苑(ずいえん)」で行われ、先手の藤井が木村を破り、3連勝で史上最年少2冠にあと1勝とした。王位を獲得すると、史上最年少での八段昇段の記録を同時に達成する。第4局は19、20の両日、福岡市の「大濠公園能楽堂」で行われる。

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木村一基王位(47)がアッという間にかど番に追い込まれてしまった。先手藤井聡太棋聖(18)の攻勢に対し、90手目の後手6二銀で、先手5一角成や先手7一角の打ち込みを防ぐ。じっと我慢の手で「千駄ケ谷の受け師」ぶりを発揮したが、耐えきれなかった。「ジリジリとし展開に持って行きたかったが、一方的に攻められてつまらない展開にした」と振り返った。

タイトル戦8回目。このうち、7番勝負は6回出て、ストレート負けは、初登場だった05年の竜王戦だけだ。「後がなくなったけど、いつも通り精いっぱい頑張りたい」と前を向いた。

神戸市は95年の阪神・淡路大震災の後、「がんばろうKOBE」をスローガンに復活した。「中高年の星」の粘り腰を期待するファンも多い。昨年46歳3カ月の最年長で初めて獲得したタイトルだ。あっさり明け渡すわけにはいかない。「がんばろう木村」。【赤塚辰浩】