自動運転ロボットによる無人デリバリーサービスの実証実験が12日、東京・港区のJR高輪ゲートウェイ駅前特設広場で行われた。「近未来の出前」システムを実演したのは、自動運転ロボットなどの技術開発を行う「ZMP」が実用化を目指す、無人宅配ロボット「デリロ」だ。電動式で約1時間の充電で4時間~6時間の稼働が可能。最高時速6キロで最大積載量50キロ。人を認識し、人が接近すると感知して自動停止する。「急な人の飛び出しにも対応して自動で停止する」とZMPの西村明浩取締役は安全性をアピールする。

この日、「デリロ」は特設広場内の「そば屋」に注文が入ると、店舗前まで自動で移動。商品を受け取ると、1周150メートルの広場通路を時速約4キロで配達して、注文者のテーブル前でぴたりと停止した。注文者はスマホなどで出前そばの料金をキャッシュレスで決済する。新型コロナウイルスの感染が拡大する中で対人接触など感染リスクを回避するのに有効な新たな宅配システムとして、また人材不足を解決する手段としても注目を集めている。

ZMPの西村氏は「屋内やイベントスペースなどの運行では問題ない実用化レベルに達している」と話した。特設会場を運営するJR東日本スタートアップの柴田裕代表取締役は「駅構内やホテルでの利用などを想定している。未来のそば屋の出前です。炎天下でも(デリロには)熱中症の心配がない」と、自動運転ロボットに期待を寄せた。