藤井聡太棋聖(18)が3連勝して迎えた、将棋の第61期王位戦7番勝負第4局(19日からの2日制、福岡市「大濠公園能楽堂」)は20日、後手の藤井が木村一基王位(47)を下した。これで今シリーズ4連勝として、王位を奪取した。

前期46歳3カ月の史上最年長で初めてタイトルを獲得し、初防衛を目指した木村はあえなく4連敗で王位を明け渡した。「ストレート負けは恥ずかしい限り。申し訳ないと思っています。また、やり直せということでしょう。ウチに帰って反省します」。マスク越しに苦笑いするしかなかった。

初日はベテランらしい渋い指し回しで藤井をてこずらせた。「先手としてはまずまずだったかな」と話した。封じ手(42手目)の後手8七同飛成では、後手2六飛と半々だと思い、2パターン考えたという。その後の45手目、先手6六角の予定が先手5五角として攻勢を許す。「悪い流れを引きずって、最後は差が開いてしまった」と残念そうだった。

前期、連敗後の3局目に勝ち星を挙げた対局会場での交代劇。1局目は押されっぱなし、2局目は大逆転負け、3局目は一瞬、逆転したかにみえたが対応を間違えてチャンスを逃した。「頑張っても少し足らなかった。防衛戦といっても、臨む姿勢や準備は必ずやったつもり。実力ですかね」。来期の巻き返しに期待だ。