藤井聡太棋聖(竜王・名人・王位・棋王・王将=23)が7連覇に好スタートを切った。4日、千葉県木更津市「龍宮城スパホテル三日月」で行われた将棋のヒューリック杯第97期棋聖戦5番勝負第1局で、タイトル戦初登場の服部慎一郎七段(26)を下した。角換わりから前例のない力戦で先手の藤井が終盤抜け出して、午後6時58分、99手で先勝した。第2局は19日、栃木県日光市「日光金谷ホテル」で行われる。

ホテル三日月グループのテレビCM「ゆったり、たっぷり、の~んびり」のうち、ゆったりとたっぷりだけは当てはまった。序盤から服部が9筋と1筋の端歩を突き出す趣向を見せる。角換わりから前例のない力戦となった。

研究手筋の定跡型なら開始1時間で50手も60手も進む。開幕局は正午の昼食休憩の段階で24手のスローペース。ひと昔前のタイトル戦を思わせた。

4時間の持ち時間をゆったり、たっぷりと使って考えながら指し手を進める。ただし、のんびりはしていらなれなかった。「早い段階から予想していない展開で、1手1手が難しい局面が続いたと感じています。累計の少ない将棋で形勢判断や方針の立て方が難しかった」。

終盤、服部の攻めを押し返し、チャンスの目を摘み取る。最終的に挑戦者の主張をことごとく受けつぶす手堅い指し回しで、攻防ともに見込みなしの状態に追い込んだ。

今回の白星で当地のタイトル戦は5戦5勝。これを含め、ホテル三日月グループでは9戦9勝。千葉県では8戦8勝とした。

第2局(日光市「日光金谷ホテル」)は、これまた7戦7勝と好相性の栃木県。特に1勝3敗で迎えた今年3月の王将戦7番勝負第5局(8、9日、大田原市「ホテル花月」)では、永瀬拓矢九段を下した。増田康宏八段に1勝2敗で迎えた棋王戦5番勝負第4局(15日、日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」)にも勝った。1つも負けられない「ダブルかど番」だった両タイトル戦に栃木県で連勝して、「大逆転防衛」したのは記憶に新しい。

3日の前日会見で藤井は服部の棋風として、「中、終盤の受けの強さであったり、終盤の勝負の仕方がほかの棋士にはない強みを、棋譜を見て感じるので、どう対応できるかが問われるかと思っています」と語った。

実際に初めての頂上対決で、「指して感覚がつかめたところがある。時間の使い方も含めて振り返るべきポイントがあった。しっかり振り返って第2局以降に生かしていければと思います」と話した。連勝で一気に流れを引き寄せる。

【動画】服部慎一郎七段が投了 藤井聡太棋聖、99手で藤井聡太棋聖が第1局に勝利