岸田文雄政調会長は31日、1日に総裁選出馬を表明する方針を固めた。関係者が明らかにした。

岸田氏は31日、官邸を訪れ、安倍晋三首相と約30分、面会し、総裁選での支持を要請した。「お力添えを頂きたい」と協力を求めたと明かしたが、了解を得られたかは明言しなかった。

岸田氏は、これまで首相からの「禅譲」を狙ってきたが、新型コロナウイルス対策でのまずい対応や発信力不足などが重なり、首相の「意中」からだんだん離れたのは、大きな誤算。首相とともに支持を期待していた麻生派の麻生太郎財務相も菅氏の支持方針で、誤算が続いている。

岸田派閥内にもほころびが出ている。この日、菅氏に出馬要請した初当選同期議員の中には、岸田派のベテラン、竹本直一IT・科学技術担当相の姿があった。「戦いは最後まであきらめてはならない」と話す岸田氏だが、追い込まれているのは確かだ。