3度目の宇宙飛行へ向けて米国で最終訓練中の野口聡一宇宙飛行士(55)が9月30日、オンライン会見を行い、意気込みを語った。

野口氏は日本時間10月31日午後3時40分、米フロリダ州のケネディ宇宙センターから初の民間宇宙船スペースX社の「クルードラゴン1号機」に搭乗し、国際宇宙ステーション(ISS)で約半年間の長期滞在へ飛び立つ予定。民間宇宙船に米航空宇宙局(NASA)の所属クルー以外から初の抜てきで野口氏は「非常に光栄です」と語った。

宇宙船は野口氏ら全クルーの協議で「レジリエンス号」と命名された。「非常に困難な状況から自己的な治癒能力で回復する力」の意味といい、野口氏は「新型コロナウイルスで世界が困難な状況の中、お互いに協力し合い、元の状況に戻っていく力になれないか。我々がミッションに込めた思いです」と力を込めた。

2009年12月以来の長期滞在では、初の「B級グルメ」を宇宙デビューさせる。「焼きそば、から揚げ、焼き鳥と、私の好みのB級グルメが並んでいます。日本で気楽に食べている食べ物がいよいよ宇宙に進出する、というきっかけになれば(笑い)」。55歳のおじさん宇宙飛行士は、無重力の宇宙空間で青い地球を眺めながら味わう「宴会気分」の時間を、心待ちにしている。【大上悟】