今夏の東京都知事選に出馬し、落選した小野泰輔氏(46=元熊本県副知事)は27日、国会内で会見し、次期衆院選で日本維新の会から東京1区に出馬することを明らかにした。

小野氏は都知事選で得票数4位に終わったが、約61万票を獲得。「スピードをもって日本の改革を進めないといけない。維新は一貫して改革を進めてきた政党だ。衆院選が1年以内に迫る中、自分の力を維新の皆さんといっしょにぶつけてみたいと思った」と、出馬を決めた経緯を語った。

都知事選後は熊本に戻り、大雨による災害が起きた地元でボランティア活動をして過ごした。出馬を決めるにあたり、家族と離れて生活拠点を東京に移したが、もともとは東京生まれ。「都知事選で(1区に含まれる)港区、千代田区の得票が多かったことは大きなアドバンテージだと思う。出身高校は私立海城で(同じく1区の)新宿区にあり、愛着がある地だ。総合的に勘案し、出るなら1区だろうと思った」と述べた。

東京1区の戦いは毎回、激戦となる。前回17年衆院選で議席を獲得したのは立憲民主党の海江田万里氏だが、かつては自民党の故与謝野馨氏と、12年以降は同党の山田美樹氏と海江田氏が議席を争い、前回は約3000票差で海江田氏が辛勝した経緯がある。

そんな激戦区での勝負について、小野氏は「現職が(小選挙区の海江田氏と比例の山田氏の)2人おり、当選はそんな簡単なことではないが、都知事選で支持をいただけた方も多く、勝機もあると思う」と述べた。「どんな選挙区でも『勝ってやる』という思いがないと政治家をやる意味はない。相手が強くても、勝ち抜ける政治家でなければ」と、覚悟もみせた。

高校で小野氏と同級生だった東京維新の会代表の柳ケ瀬裕文参院議員は「都知事選で61万票という大きな期待をいただいた。さまざまな行政経験があり、『即戦力』で国会で活躍できる人物だ」と評価。「東京1区は東京の象徴的選挙区。ぜひ勝利してもらいたい。維新の東京における党勢拡大に協力してほしい。維新は大坂が発祥だが、東京でしっかり党勢を拡大していくことが、全国政党への第1歩になる」と述べた。