大塚家具は28日、大塚久美子社長(52)が12月1日付で辞任すると発表した。

久美子氏は、かつて経営権をめぐって骨肉の争いを繰り広げた創業者、大塚勝久氏の娘。辞任は本人からの申し出で、取締役会が受理したという。これまでの経営悪化の責任を明確にするためとしている。

大塚家具はヤマダホールディングス(HD)傘下で経営再建中。同社は久美子氏の辞任の背景について、ヤマダHDと昨年12月に資本提携を結んでから1年が経過するにあたり、提携によるシナジー効果に一定の進捗(しんちょく)があったとした上で「今期は通期赤字を見込むものの、前期に比べて大幅な改善がみられ、来期の黒字化に向けて道筋がつきつつあることから、過去の業績についての責任を明確にする意味で」、久美子氏から辞任の申し出があったとしている。

後任は、大塚家具会長でヤマダHD社長の三嶋恒夫氏が、社長職と会長職を兼任する。

久美子氏は、父勝久氏との間で大塚家具の経営権をめぐって対立。15年3月の同社株主総会で、久美子氏の続投と勝久氏の退任を求めた議案が可決され、その後、勝久氏は退任し「匠 大塚」を立ち上げた。表面化した「父娘対決」により、企業イメージは大幅に悪化した。