大阪府の吉村洋文知事は7日、府庁で取材に応じ、深刻な看護師不足に直面しているとして、岸信夫防衛相に自衛隊看護師の派遣を要請したことを明かした。

府では6日時点で、重症病床使用率が68・4%。重症者の増加で医療体制は逼迫(ひっぱく)している。吉村知事は「重症病床を1床でも多く稼働させたい。1人でも多くの命を守りたい思いで要請した」とした上で「重症病床は逼迫しており、大阪の状況を踏まえて(国が)派遣の検討をしてもらったことに感謝申し上げたい」と話した。

府はこの日、228人の新規感染が確認された。重症者の急増に備えて、臨時のプレハブ医療施設「大阪コロナ重症センター」(大阪市住吉区)の整備を進めており、吉村知事は取材に先立ち同施設を視察した。 15日から運用を始めるが、看護師不足は解消されていない。最大稼働時には130人の看護師が必要だが現時点では約80人は確保できているものの、約50人不足しているという。府では重症者も増えており、人工呼吸器装着時のケア経験があり、1カ月程度の勤務が可能な看護師を、ホームページ上で緊急募集する措置も始まった。【星名希美】