宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日、小型惑星探査機「はやぶさ2」が地球に持ち帰った小惑星「りゅうぐう」で採取した岩や砂などを収納したカプセル内を特殊な吸引装置で簡易分析し、りゅうぐう由来の可能性が高いガスを検出したことを明らかにした。はやぶさ2が採取した小惑星の地下物質は、太陽光線にさらされずに変質が少ないことが予測され、太陽系誕生の起源や地球に生命が誕生した謎の解明に迫る貴重な試料とされている。

カプセルは6日午前4時47分、オーストラリア南部ウーメラの砂漠地帯で回収され、現地に設営したクリーンルームでガス組成の検査を行った。7日に輸送機で現地を出発し、きょう8日、日本に到着する。JAXA相模原キャンパスに運び込まれ、詳細な成分分析などが進められる。

今回はカプセル本体、ヒートシールド(耐熱カバー)、パラシュートの3点すべての回収に成功した。2010年、同エリアに着地した先代はやぶさのパラシュートは、いまだに行方不明のまま。「野生のカンガルーが持ち去った可能性が高い」と回収作業を行った久保田孝JAXA教授は当時を振り返ったが、今回は回収作業も完璧だった。【大上悟】