東京都は17日、専門家を交えた新型コロナウイルス感染症モニタリング会議を都庁で開き、医療提供体制に関する4段階の警戒度を、初めて最高レベル(赤色)の「体制は逼迫(ひっぱく)していると思われる」に1段階引き上げることを決定した。

出席した東京都医師会の猪口正孝副会長は「入院患者の引き続く増加傾向にともない、コロナ感染症患者のための医療と、通常医療との両立が困難な状況となった。新規陽性者数の増加を抑制するための対策を強化し、重症者患者数の増加を防ぐことが最も重要」と説明した。

都では重症患者用の病床250床を含む3000床の病床を用意している。さらに約4000床までの準備を要請中。前日16日時点の入院患者数は1960人だが、一時は2000人を超える非常に高い水準にまで増加している。新規陽性者数の増加比は現在約121%。このまま2週間継続すると新規陽性者数が約1・4倍(1日当たり約751人)。約1%が重症化している現状と同様であれば、重症者数は約104人まで増加する可能性もある。 年末には医療提供体制の深刻な機能不全や、保健所業務への大きな支障の発生が危惧される。各医療機関は通常医療の病床をコロナ患者用に転用している場合がほとんど。同副会長は「医療的立場で言えば、とにかく新規陽性者数を減らすしかない」と警鐘を鳴らした。

現在の療養者数は5070人。内訳は、入院患者1960人、宿泊療養者938人、自宅療養者1255人、入院や療養等調整中が917人となっている。

都はこの日、過去最多を大幅に更新して800人を超える新規陽性を確認した。過去7日間の平均でも513人となり過去最大値。1週間で3300人を超えた。このままの増加比が4週間継続すると1日当たり約1100人が発生する予測となる。