夏の風物詩の花火が、大型連休の夜空に日本各地で打ち上がる。愛知県西尾市の花火業者「若松屋」を発起人に、全国80社以上の花火業者が協力した。過去にも無観客花火大会は各地で実施したが、今回は会員制交流サイト大手のツイッタージャパンと連携し、「#花火駅伝」と命名。サブタイトルは「花火のチカラで日本中を笑顔に」。その様子をツイッターの特徴をいかして拡散し、写真や動画で発信を広げていく。観覧客が集まる密状態を避けるため、日時や場所の詳細は明かさない。

すでに29日から開始。5月5日までの7日間、北海道から沖縄県までの約230カ所で実施する予定だ。東京五輪・パラリンピック開催も懸念されている中、花火大会の通常開催は今夏も厳しい状況。若松屋の企画担当者は「ゴールデンウイークもステイホームになる予想の中で、皆さまに笑顔になっていただけるように計画した。緊急事態宣言などで聖火リレーのように47都道府県すべてで実施するのは厳しかったのですが、日本全国をつないでいければ良い」。医療従事者への感謝と安らぎを伝える一方、「病院、ホテル、自宅などで治療や療養されている方もツイッターなら楽しめるのではないか」と願った。

すでに大きな反響も届いている。「早速、『花火を見て勇気や笑顔をもらいました』などの声をいただいています」。花火大会よりは1つ1つの規模は小さいものの「質は落としていない。インパクトに変わりはない」との自信作。七夕のように願いや誓いのメッセージを事前に受け付け、花火に貼付して打ち上げる企画も同時進行。この日も、愛知県半田市、豊明市、南知多町の日間賀島、鳥取県三朝(みささ)町の三朝温泉、大阪府太子町の太子カントリー倶楽部などで大輪の花が咲き、日本列島を明るく照らした。【鎌田直秀】