緊急事態宣言下の2日、東京・築地場外市場が初めてとなる公式ユーチューブチャンネルを公開する。当初、宣言初日の4月25日を公開日とするはずだったが、緊急事態に合わせて番組内容も軌道修正。ドタバタの公開日を迎えることになるが「築地の技」を5分に集約し、コロナ禍を意識しながら、東京五輪閉会式翌日となる8月9日まで100日連続で新作を公開していく。

ユーチューブで公式動画チャンネルを立ち上げる理由として、場外の約500店舗が加盟する「NPO築地食のまちづくり協議会」では「伝承されてきた技と歴史が築地の特徴。映像として残すことで、築地を知ってもらう。コロナ対策は打っていますが積極的に集客はできない。ならば動画で築地の今も含めてお伝えしたい。で、2日から午後6時に100日連続で新作を公開します」と話した。

4月上旬から撮影していたため、当初はおいしいメニューとアルコールを絡めた映像もあったが、緊急事態宣言が発令されて、急きょ番組内容を変更した。1964年の東京五輪前年から開業し、築地でもっとも古い洋食店「東都グリル」では名物オムライスの作り方を完全収録した。家庭でもすぐに使える「築地の技」を随所に盛り込んでいく。

制作はフジテレビの人気バラエティー「もしもツアーズ」の撮影スタッフが担当し「グルメ関連なら自信があります。築地のおいしさや裏側をそのままお伝えしたい」(スタッフ)と話す。協議会では「場外のお店は休まずに営業していますが、今はぜひ来てくださいと言えない。コロナが終息するまでの辛抱。100日後には五輪がちょうど終了している。場外で食べて買い物をしているような疑似体験を動画で味わってほしい」と言葉に願いを込めた。【寺沢卓】