「島根のサンタクロース」が聖火をつないだ。東京五輪の聖火リレーが16日、島根県2日目を迎え、雲南市では飲食店を営みながら、被災地などにサンタ姿でショートケーキを届けるボランティア活動を続けている村松憲さん(73)が第1走者を務めた。

「被災地にも私が頑張っている姿を見てほしかった。感動で眠れない夜になりそうです」。前回の東京五輪が開催された64年に山陰北陸豪雨で自宅が全壊。支援を受けた恩返しで、77年から雲南市内の幼稚園や保育所にクリスマスケーキを贈ってきた。阪神・淡路大震災、新潟県中越地震の被災地を始め、東日本大震災でもプロ野球ロッテ佐々木朗希投手が被災した岩手・陸前高田市などにも届け、ケーキの累計個数は8万個をはるかに超える。

環境美化などを目的にした「空き缶積み上げ大会」などの活動も続けている。村松さんは「聖火ランナーをさせていただいたお礼として今後も活動を続けていきたい」と笑った。

◆16日の聖火リレー 島根県大田市を出発し、縁結びで有名な出雲大社や宍道湖などを経て、国宝の松江城までつないだ。出雲市では津和野町出身でお笑いコンビ「ニッチェ」の江上敬子、ホッケー女子日本代表元主将で04年アテネから12年ロンドンまで3大会連続出場した山本由佳理さんが故郷の奥出雲町で走った。17日からは広島県へ入る。新型コロナウイルス感染拡大のため、2日間とも公道での走行は中止。17日は広島市の平和記念公園、18日は福山市総合体育館周辺で点火セレモニーのみ行う。