千葉県市原市の動物園「市原ぞうの国」のゾウ6頭が相次いで体調を崩し、そのうち2頭が死んだことが17日、分かった。死んだのはアジアゾウの雌2頭。

園によると14日の午後、飼育していた12頭の内6頭の食欲が無くなり、下痢などの症状があった。投薬などの処置を受けたが16日未明に30歳の「プーリー」が、同日午後に35歳の「ミニスター」がそれぞれ死んだ。詳しい死因は不明で、ミニスターを解剖し、調べている。園によるとタイでも同じような症例が確認されたことがあり、タイの獣医師ともズームで連携を取っている。プーリーは埋葬した。体調を崩した残り4頭のうち2頭は「安心できない状況」(関係者)で、2頭は快方に向かっている。

園の担当者によると、食中毒の可能性がある。ただ、体調を崩していないゾウと、同じ餌を与えており、腐食した食材などは与えていない。死んだゾウから、毒など園内で発生し得ない物質が検出された場合、警察に届け出る方針。飼育下では50~60年生きると言われており、担当者は「2度とこのようなことがあってはならない」と言葉を詰まらせながら話した。

園内では17日、2頭の献花台が設置され2頭を悼む来園者らが手を合わせるなどした。【沢田直人】