5月12日以降の都の独自の休業要請は、劇場や演芸場は上限5000人、収容率50%、午後9時までの条件で要請を緩和した一方、映画館には休業を強いた上、明確な線引きすら示さなかった。

全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)は11日、声明で映画館でクラスターを発生させずに営業しているとした上で「公平なご説明をいただきたい」と訴えた。24日には東宝、東映、松竹、KADOKAWAが組む日本映画製作者連盟(映連)も、営業再開を求める声明を出した。

一方で、ミニシアター救済を目的に「#SAVE the CINEMA」が昨年4月に設立し、内閣府や文化庁などに要望書を提出し続けてきた。ただ、その動きが映連加盟4社の社員に認知されていたとは言い難い。インディーズから新たな才能がメジャーに羽ばたく以外、両者の接点は少ない。ただ25日、「#SAVE-」と全興連の関係者は、ともに都議会の会派に休業要請の見直しを要請。31日に全興連が出した休業要請を緩和する東京都と大阪府に感謝する声明にも「#SAVE-」は映連とともに名を連ねた。

“共闘”の意義は大きいが、撮影現場で働くフリーランスの作り手の生活に、メジャーはインディーズのように目を向けてきたか? 乖離(かいり)している映画業界が一枚岩になるのは、今だ。【村上幸将】