トランプ前米大統領が10日、米ネバダ州ラスベガスで行われた米格闘技UFCの大会「UFC264」の会場に姿を見せ、観客から歓声と罵声の両方を浴びることとなった。

メインイベントとなった元2階級王者コナー・マクレガー(32=アイルランド)と元UFCライト級暫定王者ジャスティン・ポワリエ(32=米国)の対決前のセミメイン「ギルバート・バーンズ対スティーブ・トンプソン」の直前に会場入りしたトランプ氏は、大歓声と共にわずかなブーイングも受けたと米メディアは伝えている。

今年1月に退任して以降、トランプ氏が公の場に姿を見せたのは数えるほどしかなく、ファンからは「USA」の大合唱を受けたとUSAトゥデイ紙は報じた。

UFCのダナ・ホワイト代表と長年の友人であるトランプ氏は、任期中の2019年に大統領として初めてニューヨークで行われたUFCの試合を観戦している。この時はトランプ氏の地元での開催だったにもかかわらず大ブーイングを浴びたが、共和党支持者の多いネバダ州での今大会では一転してブーイングはすぐUSAコールにかき消され、トランプ氏は上機嫌でファンの声援に応えていたという。

トランプ氏はオクタゴンの近くの席でNFLニューイングランド・ペイトリオッツのオーナーのクラフト氏と共に観戦していたが、会場の大スクリーンやテレビ中継にその姿が映し出されることはなかった。会場にはトランプ氏以外にも、歌手ジャスティン・ビーバーやタレントのコートニー・カーダシアン、女優ミーガン・フォックスやNFLのスター、オデル・ベッカム・Jrら多くの著名人の姿も見られた。

注目を集めた対決は、1回終了間際にマクレガーが負傷をしてTKO負けとなった。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)