小泉純一郎前首相(65)の懐刀で、初当選した1972年以来、小泉内閣の政務担当秘書官を含め35年にわたり秘書を務めてきた飯島勲氏(61)が13日付で辞職していたことが14日、分かった。

飯島氏は日刊スポーツの取材に、「燃え尽きました。さらば永田町ということ。これから新しい仕事を探すつもりです」と答え、政治家秘書業からも離れる意向を示した。既に、国会や議員会館への出入りに必要なIDも返却しているといいう。

小泉氏とは一心同体だった“名物秘書”の突然の辞職だけに、永田町には波紋が広がっている。さまざまな憶測が流れているが、今回の自民党総裁選で飯島氏や新人議員らが小泉氏に再登板に向けて出馬を要請したにもかかわらず応じなかった上、小泉氏が、飯島氏と不仲とされる福田元官房長官を推す姿勢を示したことが要因とみられている。飯島氏は首相秘書官時代に、官房長官だった福田氏と、外交路線などをめぐって衝突する場面があったとされる。辞職した13日、小泉氏は福田氏支持を打ち出した。

飯島氏は首相就任前から小泉氏のメディア戦略を一手に引き受け、プロデューサー的な役割を果たしてきた。昨年9月に小泉氏が首相を退任した後も議員会館の事務所に詰め、秘書として活動を支えてきた。国際的な人脈も広く、昨夏の小泉氏の訪米時に大統領専用機に搭乗した際、ブッシュ大統領が自身の側近になぞらえて「あなたが和製カール・ローブか」と飯島氏に話し掛けたことが話題になった。