立憲民主党から東京18区に立候補した菅直人氏(75)が、総理大臣時代に防衛大臣政務官を務めた、かつての弟子の自民党・長島昭久氏(59)を破り、当選した。

菅氏にとって同区は、1980年(昭55)の初当選から40年以上も地盤を築いてきた牙城。前回の衆院選まで自民党の土屋正忠元衆院議員が、5度に渡る「土菅(どかん)戦争」を繰り広げた。75歳となり13選した前回を「最後の選挙」としていた。一方、長島氏は旧民進党時代の17年に共産党との選挙協力を批判して離党し、同年の衆院選は希望の党から東京21区に出馬し、自民党の小田原潔氏を破って当選(小田原氏は比例復活)も、希望の党が翌年解散。18年に衆院内に会派「未来日本」を結成し新党結党を模索も断念し、翌19年6月に東京21区からの転出を条件に自民党に入党し、20年1月に選挙区が東京18区に決定し、事実上の一騎打ちとなった。

選挙戦で、菅氏は、長島氏が90年から3年間、自民党の石原伸晃元幹事長の秘書だったことを引き合いに「『ぜひ民主党でやらせてくれ』と言ってきた。東京21区は私も一生懸命(長島氏を)連れて歩いた」と明かし「一番問題なのはお世話になった有権者に対する冒涜(ぼうとく)だということ。裏切ったという自覚を、しっかり持たないといけない」と激しく応戦。「長島に引導を渡される訳にはいかない」と14選を狙った。

一方、長島氏は「(国替えは)自分で選んだ道じゃない」とした上で「(菅氏は)『裏切り者』『恩知らず』『恥知らず』の3点セットだ」と猛反論。「向こうがストリートファイトに持ち込まれるのであれば、こちらもストリートファイトで戦う」とエスカレートしていた。

弟子を打倒した菅氏は両手を上げて入場。「今の自民党の政治はダメだというのを、自民党を超えたからだと思う」と語った。