米CNNを解雇された看板キャスターで前ニューヨーク州知事の弟クリス・クオモ氏(51)が、契約金の残りおよそ1800万ドル(約19億8000万円)の支払いを求めていることが明らかになった。クオモ氏は、セクハラ問題で今年8月にニューヨーク州知事を辞任した兄アンドルー・クオモ氏のセクハラ疑惑の対応に助言したことが同社の規定に違反するとして11月30日に無期限の停職処分を受け、その後のさらなる調査の結果、今月4日に解雇されたことが発表されていた。2020年4月にCNNと4年契約を結んだクオモ氏の年収は600万ドルだといい、残り3年弱分の契約金の支払いをCNNが拒んだ場合の訴訟に備え、弁護士を雇ったとニューヨーク・ポスト紙が報じた。

ニューヨーク州司法長官が、クオモ氏はジャーナリストの立場を利用して兄のセクハラ疑惑に関する情報を得ようするなど問題に深く関与していたとする文書を公表したことで停職処分となったが、CNNはその後の調査過程で新たな情報が明らかになったと解雇理由を説明していた。新たな情報の中身は明らかにされていないが、ニューヨーク・タイムズ紙がその後兄に続いてクオモ氏もセクハラで匿名の女性から告発されたと報じた。クオモ氏を巡っては、「告発は事実ではない」と否定しているもののこの件に関してCNNは引き続き調査していることが報じられており、来年発売予定だったパンデミックとトランプ前大統領に関する著書の出版も白紙になったことを、出版元のハーパーコリンズが発表している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)