「西武秩父駅前温泉 祭の湯」(埼玉県秩父市)が初めて開催するイルミネーション・イベント「星空ツリーとちちぶの竹あかり」の点灯式が17日、同駅前広場で行われた。秩父市内各所ではこれまでイルミネーションは行われてきたが、玄関口となる西武秩父駅前で大々的に行うのは、これまで例がなかった。約30メートルの高さがある西武秩父駅前のシンボルツリーが電飾で彩られたほか、75本の竹あかりが西武秩父駅から祭の湯に向かう小道の両側に設置され、癒やしの空間を演出している。

竹に穴を開けてあかりをともすイルミネーションは、昨年11月に発足した地元の小鹿野高校の「竹あかり同好会」の生徒たちが中心になって制作した。同高では小鹿野町役場の協力を得て、高齢化や後継者不足で維持管理が厳しい竹林の間引き作業に参加し、切り出した竹を再利用した。まさに「産・官・学」が一体となったイベントだ。

西武ホールディングスでは約1年前にJR東日本との包括的な連携を発表したほか、今年10月にはアウトドア事業に本格参入すると明らかにしている。ノウハウを持つ他業種などと協力し合った、「地域や沿線の創生」を狙いとしている。全国規模ではないが、これも新たな沿線の魅力の掘り起こしとなる。秩父の新しい冬の風物詩は、来年2月28日まで行われる。