しっかり食べて、コロナに負けるな! 新型コロナウイルス新変異株「オミクロン株」拡大により、まん延防止等重点措置の再発令初日となった21日、デカ盛り弁当で有名な「キッチンDIVE(ダイブ)」亀戸店(東京都江東区)では、白米3キロの超大盛り日の丸弁当“ドカベン弁当”が発売された。人気野球漫画「ドカベン」「あぶさん」などを描いた漫画家で10日に82歳で亡くなった水島新司さんへの追悼の気持ちも込めた、漫画「ドカベン」の主人公、山田太郎の定番だった日の丸弁当だ。

同店は通常から1キロ弁当や、1キロおにぎりが好評だ。御徒町、水道橋の3店を営む店主の伊藤慶さん(40)は「値段は山田太郎の背番号だと2円になってしまうので、今回はあぶさん(主人公景浦安武)の背番号を採用して90円に設定しました」。午前11時に店頭最前列に並ぶと、1キロ弁当などと比べても、かなりの存在感。巨大弁当に見慣れている常連客からも「なんだ、このデカさは」。「3キロって、何合なんだ~?」と驚きの声が飛んだ。「1キロおにぎりが3合なので、3キロだと9合くらいです」と伊藤さんは説明した。

30分後の午前11時半。手に取り、購入したのは、JR亀戸駅近くに個人的な用事で訪れた33歳男性だった。従業員から「重いので気をつけてくださいね」と声をかけられると、苦笑いを浮かべて右手に力を込めた。購入した男性は「この店は良く利用しているのですが、店に入ったら目についたので購入した。何より安かった。最初は『90円っていうのは表示が間違っているのかと思った』」。まずは昼食用だと言うが「おかずも買って食べます。この量は1人では絶対に食べきれない。夕食も含めて、余ったら冷凍にします」。“延長戦”となっても“ドカベン”を食い倒す決意だった。

“ドカベン弁当”を考案した伊藤さんは、飲食店の営業時間短縮で制限される食事環境提供への使命も抱いている。「うちは24時間営業を行っているので、夜遅くや夜中に食事がしたいタクシーや配送トラックの運転手さんなどが、食事の選択肢がなくならないようにとの思いでやらせていただいています」。約5年ほど前から店舗内の様子をユーチューブで24時間生配信しており、今ではコロナ対策の一助にもなっている。「弁当屋なので、お客さまの滞在時間は2、3分くらい。あまり密になることはないのですが、店の中の様子を確認して空いている時にお買い求めにいらしていただければ安心していただけるかと思います」と願った。【鎌田直秀】