東京都は22日、新型コロナウイルスの感染者が、新たに1万1227人報告されたと発表した。1日当たり1万人を初めて超え、過去最多を更新した。

新変異株「オミクロン株」による急速な感染拡大が続いている中、政府の新型コロナウイルス対策を議論する基本的対処方針分科会の尾身茂会長の「人流抑制ではなく人数制限」が有効との発言が波紋を呼んだ。小池百合子知事は21日の定例会見で「課題は人流と人との接触する機会の削減が重要。不要不急の都道府県間の自粛は基本的対処方針に書かれている。そこは政府と分科会もしくは尾身先生で詰めていただきたい」と苦言を呈していた。

感染拡大を受けたまん延防止等重点措置が適用され、週末を迎えた東京・新宿の飲食店では要請に応じる店と応じない店で対応が割れた。都は飲食店に対し、営業時間の短縮や酒類の提供の規制などを要請。東京・新宿の串焼き店「まき串 串タロー 東口店」は要請に応じ、営業時間は午後9時まで、酒類の提供は午後8時までにするという。店主の男性は「要請は守るのが普通な感覚。感染が広がってきているので仕方ないと思う」と話した。その上で「早く(要請が)解除されて人の流れが戻って欲しい」と願った。店主によると売り上げは感染者が急増する前の21年12月と比べて9割減少したという。別の新宿の飲食店では要請に応じないことを決断した。酒類を提供し午後11時半まで営業するという。店主の男性は「従っていたら生きていけない」と打ち明けた。【沢田直人】