埼玉県ふじみ野市の民家で27日夜に発生した立てこもり事件は、発生から10時間以上たった28日朝、埼玉県警の警察官が現場に突入して、容疑者の男を確保した。前日夜から近くの学校に避難していた住民は自宅に戻った。

現場はふじみ野市大井武蔵野の小学校近くの民家。事件現場のすぐ近くに住む中村一夫さん(74)は事件発生時について「パン、パンという音がして、あとからもう1回パーンと音がした。何かたたいたような音でなんだろうと思っていた」といい、銃声とは分からなかったという。

2階の部屋から外をのぞくと警察官がおり「危険です。流れ弾に当たるから窓から離れて」と強い調子で声を掛けられ、初めて銃による事件が発生したことを知ったという。

その後、小学校へ避難し、教室で待機していたが、現場が近いため、中学校へ避難することに。「中学校でも教室の椅子に座って朝まで。みなさんマスクを着けて、横になっている人もいました」。一夜明けて男の身柄が確保され、ようやく自宅に帰った。

中村さんは事件のあった家の住民について「古くから住んでいる人ではなく、付き合いはない。ここ数年で越してこられたのではないか」とし、「銃を持っているなんて知りませんでしたし、思いもしませんでした」と語った。