震度6強を記録した相馬市の正西寺では、明治維新後に廃城となった相馬中村藩の中村城から移築された山門が崩壊した。市中心部に近い相馬市中野の正西寺の八幡朋行さん(50)によると、山門は市の有形文化財で11年の東日本大震災でも21年2月13日の地震でも一部が損壊したが倒れはしなかったが、16日深夜の揺れで崩れ落ちた。

昨年の地震からの修復がこのほど終わったばかりだった。山門脇の鐘楼も崩れ落ちた。八幡さんは「昨年の揺れより大きかったと思いますが、それ以上に『またか』という思いが大きかった」と語った。

境内にある墓地でも、大きな墓石や灯籠が倒れるなどの被害が出ている。東日本大震災でも被害があり、多くの墓で補修や耐震補強などが施されていたが、再び、被害が出た。

近隣の民家にもガラスが割れたり、用水の石積みが崩れるなどの被害が出ている。近隣住民によると「東日本大震災時の揺れよりも、昨年2月の揺れの方が大きかったが、それ以上に大きく揺れた」という。数百メートル離れたイオン相馬店は壁面が一部崩落し、看板が下に落ちていた。駐車場には地割れが走り、出入り口のガラスの自動ドアが割れるなどの被害が出ている。