第71期ALSOK杯王将戦で渡辺明前王将(名人・棋王=37)に4連勝してタイトルを奪い、史上最年少5冠となった藤井聡太王将(竜王・王位・叡王・棋聖=19)の就位式が11日、東京都文京区の「東京ドームホテル」で行われた。コロナ禍のため、関係者と報道陣のみで、一般の参加者は受け付けなかった。

藤井は謝辞で、「王将戦では前期に(挑戦者決定)リーグから陥落してしまっており、今期は巻き返しを図りたいと思って臨みました。2次予選、リーグでは苦戦の将棋もありましたが、何とか挑戦権を得ることができてうれしく思いました。7番勝負では中盤の大局観において上回られたと感じられる場面が多くありました。特に第1局と第3局は苦しい時間が長く、4連勝というのは実力以上の結果だったと感じています。今シリーズで感じた課題を来期には修正していきたいと思います」と述べた。

来週17日には山形県天童市で3年ぶりに実施される「人間将棋」に初登場し、佐々木大地六段(26)と対戦する。28日には叡王戦5番勝負第1局(東京都千代田区「江戸総鎮守 神田明神」)で、年上の後輩である出口若武六段(26)の挑戦を受ける。

本年度初めての公の場での仕事となった王将就位式をステップに、多忙な毎日が始まる。