「パエリア・タパス祭り」が15日、東京・千代田区の日比谷公園で開幕し、「全国パエリア選手権」「全国タパス選手権」の投票も始まった。

コロナ禍で3年ぶりの開催。実行委員会広報担当の井上実さん(51)は「独自のパエリアやタパスを出そうと、それぞれのお店も楽しみにしていた」。パエリア部門は18年まではスペイン・バレンシアで行われる世界大会の日本予選を兼ねていて同じ食材を使用していたが、19年からはオリジナル商品となった。今年は世界大会出場権はなく名誉のみだが、「日本の皆様の口に合い、認めてもらえることのほうが喜びを得られるんです」。投票は現地でのみ受け付け、最終日の17日に結果が発表される。

11月開幕のサッカーW杯カタール大会では、日本がスペインと対戦することも決まっている。「スペインサッカーを好きな人も多くて、どちらを応援するか迷う部分もありますが、これをきっかけにスペインのおいしい料理や文化に触れる機会になってほしい」。パエリアなどを通じたスペイン愛の広がりも願った。【鎌田直秀】

○…東京電力が、東京電力福島第1原発事故により、大きな打撃を受けている福島県の食材の風評被害払拭に向けた取り組みの1つ「発見!ふくしま」は、直径1・5メートルの大鍋で「常磐ものイカスミパエリア」を提供した。日本有数の漁場の福島県沖で獲れた「常磐もの」と称される魚介類を使用。調理した都内スペイン料理店エルトラゴンの担当者は「風評被害をなくすためにも福島の食材でおいしいものつくりたい。歯応えあるイカの食感と濃厚なイカスミを味わっていただきたい」。毎日午前10時半から数回炊き上げる予定で、公式キャラクター「めっけちゃん」がデザインされた。「メヒカリのアヒージョ」「ふくしまの恵み全部のせ海と大地のブロシェット」も並んだ。