幕末の新選組で副長を務めた土方歳三の生家跡で、東京都日野市にある「土方歳三資料館」が10月末をもって長期休館する。94年に開館して約28年、遺品や資料など約70点を公開してきた。

土方歳三の兄から数えて6代目の土方愛さん(50)が館長を務める。建て替え前の生家で育った最後の世代だ。土方さんは休館の理由について「遺品を長く残すために、いったん運営方法を見直したい」と話した。遺品の管理などは個人で行っていた。開館当初は十数人だった来客者。ゲームやドラマなどで注目を集め、ネットの普及とともに増え始めた。海外からもファンが訪れ、新型コロナ禍前では1日に1000人近くの人が訪れる日もあった。緊急事態宣言時には一時休館し、その間はオンラインで講座を開いた。宣言の解除後の客足も戻りつつあった。多くの人に愛されたが故に「個人では対応しきれない状況になった」。休館後の遺品の管理方法は模索中だという。

資料館の開館日は大型連休を除き原則月2回。ホームページで確認ができる。庭には土方歳三が17、18歳のころに「将来我武人となりて名を天下に揚げん」と宣言して手植えした矢竹が生えている。資料館の中に入ると、新選組が倒幕派の志士らを襲撃した「池田屋事件」で、土方歳三が実際に身に着けていた防具の「鎖かたびら」が展示されている。愛刀の「和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)」は5月15日までの期間限定で公開している。

長年遠方から通っていたファンを思い「(休館に)納得して、予定を立てられるように」と、8カ月前の2月に公表した。土方さんは全国のファンに向けて「休みは前向きなお休みです。楽しみにお待ちください」と呼び掛けた。「歳三の生家 土方歳三資料館」(https://www.hijikata-toshizo.jp/)【沢田直人】