れいわ新選組の山本太郎代表(47)が20日、夏の参院選東京選挙区(改選数6)から出馬することを正式表明した。昨年10月の衆院選で比例代表東京ブロックから出馬し国政復帰を果たすなど、知名度が高い大物の電撃参戦によって、全国屈指の激戦区はさらにヒートアップし、混沌(こんとん)の構図となりそうだ。同選挙区から公認で擁立が発表された依田花蓮氏は比例代表に回る。

山本氏は4月15日に議員辞職と鞍替え出馬を表明した際、出馬する選挙区を明言しなかった。一方で東京など4選挙区で擁立した公認候補者の「差し替えは検討していない」(山本氏)としていたが、「それはないと一蹴した覚えはありません。今のところと、前置きしたはず」とした。

大都市圏で集票力が高い山本氏が出馬する選挙区を巡っては、神奈川選挙区(改選数4+非改選の欠員1の計5議席)や埼玉選挙区(改選数3)、出身の兵庫選挙区(改選数3)などが浮上していた。民間の調査会社を使って「3000サンプルを超える調査を行った結果、間違いなく当選のラインに絡める。イチかバチかという戦いをする状況ではないという結論に至った」などとして東京選挙区にターゲットを定めた

山本氏は2013年の参院選東京選挙区に出馬して66万票以上を獲得し、初当選した。20年の東京都知事選は落選したが、65万票以上を獲得した実績がある。19年の前回参院選東京選挙区は52万票台が当落ボーダーラインだった。山本氏は「状況が違う。候補者の数であったり顔ぶれであったり、そもそも比較すること自体が現実的ではない」とするが、「今の状況であれば当選ラインに乗るのは可能であろうと判断した」と明言した。会見後は東京・有楽町駅前で街頭演説を行い、れいわから参院選に出馬表明したタレント水道橋博士が飛び入り参加した。

東京選挙区には立憲民主党の蓮舫、公明党の竹谷とし子、共産党の山添拓、自民党の朝日健太郎の現職4氏に、元「おニャン子クラブ」のメンバーで自民党公認のタレント生稲晃子氏、日本維新の会の海老沢由紀氏、ファーストの会代表の荒木千陽氏ら主要政党が公認する新人に加え、作家の乙武洋匡氏も無所属で出馬を表明した。参院選は6月22日公示、7月10日投開票の日程が有力となっている。