山口県阿武町の4630万円誤給付問題で注目が集まった、オンラインカジノの法規制を求める記者会見が10日、東京・衆議院第一議員会館で行われた。

会見には公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中紀子代表が出席。田中氏によると、新型コロナの影響で仕事が暇になり、オンラインカジノに手を出してはまってしまったという、当事者からの相談が増えた。田中さんはオンラインカジノの手軽さや射幸性を危険視し「借金の額が桁違い。パチンコ依存症の人は多くて500万円。オンラインカジノでは9000万円の借金をする人もいる」と話した。

会見には20年春ごろから、実際にオンラインカジノにはまりギャンブル依存症となったという、なおさん(仮名)が出席。「コロナで緊急事態宣言が出て、パチンコや場外馬券場が閉まっていた。こういうものがあるんだと知ってオンラインカジノに手を出した」と語った。なおさんはオンラインカジノの入出金や登録の手順などを説明し「最初は100円からスタートしましたが、1年後ぐらいには最高で60万円を一度に賭けるようになった」と明かした。1000万円を超える借金を作り、うつ病も発症したという。「妻や両親、子どもにも迷惑をかけた」。借金の返済に充てるため、7年前に購入したマンションを売りに出す予定だという。

ギャンブル依存症問題を考える会を始めとする5団体は同日、政府に対して要望書を提出した。日本国内からオンラインカジノへのアクセスを阻止する法整備や、オンラインカジノに対する広告の規制を求めた。