ハイクラス転職サイトの株式会社「ビズリーチ」代表取締役社長の多田洋祐さんが今月2日に急性心不全のため亡くなっていたことが7日までに分かった。40歳。ビズリーチ創業者でビジョナル株式会社代表取締役社長の南壮一郎氏が6日付の同社ホームページ(HP)で伝えた。

南氏は「去る7月2日、当社取締役であり、グループ会社の株式会社ビズリーチ代表取締役社長を務める多田洋祐が、急性心不全により逝去いたしました。突然の訃報であり、従業員一同、今もまだ現実のこととして受け止めきれずにおります」と伝えた。

南氏によると、多田さんは、2日に高校時代の友人と出かけたゴルフのプレー中、突然倒れ、そのまま帰らぬ人となったという。「前日まで、いつもと何ら変わりがない1日を過ごし、社内外の会議に出席しておりました。私自身も社内のチャットツールでやりとりをしていたため、一報を聞いた時は本当に驚きました」と突然の訃報だったことをHPにつづった。

多田さんの家族によると、「心臓に持病があり、猛暑の中、長時間屋外で過ごしたことが、知らず知らずのうちに体に負担をかけていたのかも知れません。幼少期からサッカーで体を鍛えており、体力には自信があったのでしょう。本人も、まさかこのようなことになるとは、想像していなかったのではないかと思います」と続けた。

南氏は「多田さんが入社して2年目の2013年夏、私は『この人ならビズリーチの未来を委ねられる』と確信して、当時31歳だった彼にビズリーチの事業部長を託しました。そして2020年2月、グループ経営体制の移行にあたり、中核会社となった株式会社ビズリーチの2代目社長をお願いしました」と2人の厚い信頼関係をつづった。

卓抜したリーダーシップのもと、多田さんが入社した時(2012年7月期)に売上高7億円だった会社は、10年あまりの間に、売上高436億円、営業利益80億円(2022年7月期)を見込む規模へと拡大したことについても触れた。

「従業員も、40人から1,500人を超えるまでに増えました。この成長は、創業メンバーを中心とした経営チームから、多田さんを軸とした新経営体制へと権限移譲できたからこそです。多田さんがいなければ、今のビズリーチ、並びにVisionalグループの姿はなかったでしょう」と多田さんの功績を伝えた。