安倍晋三元首相の死亡から一夜明けた9日、事件が起きた奈良県の大和西大寺駅前には、花束を抱えた人々が行列を作っていた。

青空が見え、心地よい風が吹くこの場所で、たった二十数時間前に血が流れていたとは思えない。駅前には、小さな子どもからお年寄りまで幅広い年代の人々が集まった。

友達と一緒に来たという中学3年生の澤田陽菜さんは「(安倍元首相に)感謝していたので、その思いを伝えたいと思ってきました」。

安倍元首相の仕事ぶりを見て政治に興味を持ち始めたという澤田さん。「心肺停止というニュースを見て、死亡が発表されたときには涙が止まりませんでした。実際会ってみたかったんですけど。こんな形になってしまいましたが、感謝は伝えられたと思います」と胸中を語った。

現場には、愛知県や三重県など、遠方からの訪問者も訪れていた。優しい光が注ぐ中、それぞれの思いを必死に伝えていた。【竹本穂乃加】