社民党の福島瑞穂党首(60)は9日、東京・新宿で行われた参院選投開票前の最後の演説で、自民党の安倍晋三元首相が前日8日に奈良市内で参院選の街頭演説中に銃撃され、亡くなったことに強い憤りをあらわにした。

「昨日、安倍元総理が狙撃され、亡くなってしまうという非常に衝撃的な出来事がありました。心から、心から、ご冥福をお祈りします」と弔意を示した。その上で「命以上に大事なものはありません。いかなる暴力、テロにも反対です。暴力で問題が解決することはありません。暴力、戦争のない社会を、一緒に作っていこうではありませんか」と訴えた。

福島氏は、1960年(昭35)10月12日に、前身の日本社会党浅沼稲次郎委員長が、日比谷公会堂で右翼の少年に胸を刺されて死亡した事件を口にした。その上で「社民党は、浅沼委員長が、みんなの見ている前で、あの日比谷公会堂で刺殺されることもあった政党です。だからこそ蛮行に、強く強く抗議します」と力を込めた。

公職選挙法が定める政党要件は(1)所属国会議員が5人以上(2)直近の衆院選、参院選のいずれかで得票率が2%以上-のどちらかを満たすこと。所属国会議員が2人で、今回、比例代表で出馬する福島氏が改選を迎える社民党は、4人を当選させるか、2%以上の得票率を確保しないと、政党要件を失う。

この日の最後のあいさつには、福島氏のパートナーの海渡雄一弁護士(66)も駆けつけた。

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