将棋の最年少5冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が10日、名古屋市の名古屋将棋対局場で指された第81期順位戦A級2回戦で、菅井竜也八段(30)に109手で敗れ、A級初黒星を喫した。

戦型は先手の菅井のエース戦法「中飛車」。中盤から菅井がペースを握り、終盤の入り口で優位を築いた。苦しい展開が続いた藤井は粘り強く指し続け、逆転のチャンスをうかがったが、押し切られた。

終局は日付が変わる深夜まで及んだ。藤井は「本譜はどういう構想を選ぶのか、いろいろあったと思うが、選択を間違えてしまった。判断力が足りなかったのかなと思います」と振り返った。

A級初黒星に「本局はいろいろとミスが出てしまっていると思うので、もっと内容をよくしていかなければいけないのかなと思います」と話した。

順位戦最上位のA級は10人が総当たりで、挑戦権を懸けて争う。今期、藤井が挑戦権を獲得し、来年4~6月に開催予定の名人戦で渡辺名人から名人位を奪取すれば、谷川浩司17世永世名人の21歳2カ月の史上最年少名人獲得記録を更新する。