日本将棋連盟は8日、最年少5冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が、米国の半導体大手AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイシズ)の日本法人と9月から広告契約を結んだと発表した。

AMDは世界最大の半導体メーカー・米インテルのライバル社として知られる。藤井は人工知能(AI)の将棋ソフトでの研究のため、自作したパソコンのCPU(中央演算処理装置)にAMDの「Ryzen Threadripper(ライゼン・スレッドリッパー)3990X」を使用している。

藤井は世界で最も会いたい人にAMDのリサ・スーCEO(最高経営責任者)を挙げ、リサ・スーCEOは藤井が「ライゼン」のユーザーと知って「とてもうれしい」とツイッターでつぶやいたこともあった。

日本AMDは「藤井竜王がAMD製品を活用して、次々とタイトルに挑戦し続ける姿勢と、AMDがテクノロジーを通じて人々の生活や仕事に貢献し続けるという企業理念が合致するとの考えから、今回のブランド広告への出演オファーに至りました」と経緯を説明し、「将棋界であらゆる記録を打ち破る藤井竜王とともに、AMDはさらなるイノベーションを推し進めていきます」とのコメントを発表した。

藤井は「私自身もAMDユーザーですので、今回AMDのブランド広告に出演することとなりとても光栄に思います。AMDには、さらなるパフォーマンスの強化により、将棋だけではなくさまざまな分野で『新たな次の一手』を見つける存在になっていくことを期待しています」とコメントした。

日本AMDの関路子代表取締役は「将棋界で次々と新記録を樹立し、躍進を続ける藤井竜王にAMDのブランド広告に出演していただくことができ、大変うれしく思います。日々の将棋研究に当社のプロセッサーを活用していただき、とても光栄に感じておりますし、これからもAMDが藤井竜王の挑戦にさらに貢献できるよう、イノベーションを進めてまいります」と強力タッグを組み、サポートを約束した。

日本将棋連盟によると、プロ棋士が世界的な半導体大手の企業と広告契約を結ぶのは初めて。藤井が“世界進出”の1歩を踏み出した。