英国のエリザベス女王が8日夕(日本時間9日未明)、滞在していたスコットランドのバルモラル城で死去した。96歳。英王室が発表した。

エリザベス女王の死去を受け、王位継承順位1位の長男チャールズ皇太子(73)が、新しい英国王に就任する。新国王となるチャールズ皇太子は同日、「私たちは、大切な君主であり、多くの人々に愛された母の死を深く悼む」とする哀悼の声明を発表した。

これまでの英国の王位継承順位は、第1位がチャールズ皇太子、2位が皇太子の長男ウィリアム王子(40)、3位がウィリアム王子の長男ジョージ王子(9)などの順番。近年は女王の体調がすぐれない際に、チャールズ皇太子らが公務を代理で行うことも少なくなかった。

チャールズ皇太子については、73歳と高齢であることのほか、前妻ダイアナ元皇太子妃の離婚の原因になった、不倫相手のカミラ夫人と再婚したことなどから、国王としての資質を疑問視する声も、以前は国民の間にあった。息子のウィリアム王子が父を飛び越えて即位することへの「待望論」が、取りざたされたこともある。

英王室一家をめぐっては、次男ヘンリー王子が王室を離脱し、メーガン妃、2人の子どもとともに現在は米国で生活するなど、以前のような一枚岩の体制とはいえない。ウィリアム王子は今後、「次の次の国王」を見据え、父親を支えながら公務に臨むとみられる。