岸田文雄首相は6日、衆参本会議で行われた各党の代表質問でも前日5日に続いて世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題を追及され、逆風は収まる気配がない。渦中の細田博之衆院議長は7日午前にも旧統一教会との接点に関する追加説明を行う事態に追い込まれた。

細田氏は9月29日に教団側との関係を認める文書1枚を公表し、4件の会合に出席、関連団体の名誉会長就任、選挙への支援などを明らかにしたが、野党側から「紙対応」と内容が不十分として批判を浴びた。5日の代表質問では立憲民主党の泉健太代表が何度も議長席を振り返って細田氏に異例の答弁要求を繰り返して騒然となった。泉氏は6日、衆院の山口俊一議院運営委員長から「礼を失している」と注意を受け、与野党から「パフォーマンス」と皮肉られたが、細田氏の追加説明を引き出した。

だが、細田氏は今度も文書のみの対応とみられ、文書を受け取った山口委員長が代わって記者団に対応する。会見での説明をかたくなに回避する細田氏に対して野党は反発を強める。日本維新の会の馬場伸幸代表は「再三再四、追加で実はこういうことがあったとか、あんなこともあったとか。国民の不信感を増長させる。これ以上は間違いない、漏れはないという報告書を出してほしい」と求めた。追加説明の内容次第では野党側は追及に拍車をかけ、細田議長の議事運営に影響を及ぼす可能性もある。

山際大志郎経済再生相への逆風も厳しさを増す。教団トップの韓鶴子総裁と対面で接触していた事実を明らかにするなど、これまで判明した教団側との複数の接点は、いずれも指摘後の「後出し」で弁明し、事実認定を繰り返している、この日は参院で山際氏の答弁した際に野党席から「統一教会担当大臣!」と痛烈なヤジが飛んだが、岸田首相は野党側が求める山際氏の更迭を改めて拒否した。

7日、参院で代表質問は終了するが、今後の委員会質疑でも旧統一教会を巡り、荒れ模様の様相で岸田政権に波浪警報は続く。【大上悟】