上野動物園に「カンカン」「ランラン」のジャイアントパンダが来日して10月28日でちょうど50年となる。動物園と隣接する上野市街ではいろいろな形でパンダが登場する。期間は19日から11月3日までの16日間、上野全体がパンダに“ジャック”される。

50年前は上野松坂屋の屋上からアドバルーンを飛ばした。今回も高さ約3・5メートル、幅約2・65メートルのアドバルーンを27日に飛ばす。50年前は手足の突起する形状だったが、今回は雪だるまのように球体2つが縦に並んだシルエットで頭部には丸い耳が2つついている。アドバルーンの下には「パンダ来日50年おめでとう!」とのメッセージ入りの垂れ幕約10メートルがはためく。

JR上野駅から動物園に続く公園改札口前広場には高さ約5・5メートル、幅約5メートルのパンダ像が据えられる。50年前も巨大パンダ像が登場したが、同じ場所に設置されるものの今回は緑色のちょうネクタイをした令和版の巨大パンダ像となる。

26~30日は上野公園~御徒町周辺の14カ所に14パターンの絵柄でのスタンプラリーも楽しめ、スタンプ5個以上を集めるとパンダ関連の景品(約1万セットを用意)をゲットできる。

NTT東日本も地元の東京東支店(台東区上野)がスマートフォンのAR機能を使った「手乗りパンダ」体験などでイベントを盛り上げる。指定されたポイントでスマホの写真機能を起動させると、画面上の手のひらで浮かび上がったパンダが動き回るという。

また、上野駅前、アメ横、広小路、御徒町など街中ではパンダお面も数万個単位で無料配布される。飲食店、物販店でもパンダに関連したメニューや商品が大量に投下される。

一部イベントに参加したり、商品購入をすると自動的に「ジャイアントパンダ保護サポート基金」に寄付される仕組みにもなっている。上野観光連盟の二木(ふたつぎ)忠男名誉会長(69)は「上野全体をパンダだらけにするけど、ただ騒ぐだけじゃない。野生のパンダの生活環境にも寄与できる。単なる50周年ではなく、次の50年に向けたスタートにもなっているんです」と話した。【寺沢卓】

○…水兵さんキャラで人気の「セーラーズ」も今年で創業50周年で、パンダとコラボする。JR上野駅前のパンダのパン店「米よりパンだ?!」で26、27の両日、昨年6月に誕生したシャオシャオ、レイレイと一緒にイラスト化したデザインのトートバッグ計200個をパンとセットにして1500円で販売する。また、パンダとのコラボデザインのパーカ、ロングTシャツ、トレーナーの限定品は同店で29、30日、先行予約を実施する。デザインを手掛けた三浦静加社長は「パンダとともに50周年、すてきなコラボが実現しました」と笑顔をみせていた。