小池百合子都知事は21日、東京尾葛飾区のルミエール商店街を視察し、冬の電力逼迫(ひっぱく)に備えて都が進める節電キャンペーン「HTT」への理解を求めるとともに、冬物衣料の売れ行き状況などを確認しながら「ウォームビズ」への協力を呼びかけた。

小池氏は11月18日の定例会見で、今冬の電力不足対策の一環として、首の部分を覆う衣服「タートルネック」の活用推進を呼びかける方針を表明。この日もタートルネックを着用した小池氏は、商店街にある衣料品店の店員に「売れ行きはどうですか」と質問。首などの部分に手を当てながら、冬物衣料で身体を温める「ウォームビズ」が節電にもつながると呼びかけた。

JR新小岩駅前では、道行く人に、「HTT」をPRするためにティッシュの配布も実施。小池氏は「視察した衣料品店では、マネキンさんがみんなタートルネックや暖かいコートを着ていた。まずは身近なところから、何を着るかというところから(節電が)始まる」と話し「家族が同じ部屋でこたつを有効に使うなど、できるだけ電力を使わないようにするため、工夫をしてほしい」と訴えた。

都が進める「HTT」は電力を「H(減らす)T(創る)T(蓄める)」の頭文字を取った略語。自身が環境相時代に手掛けた夏の軽装キャンペーン「クールビズ」が、2005年の新語・流行語大賞トップテン入りした経験を持つ小池氏は「今年の流行語(大賞)に、HTTは間違いないと思っていた。『ブラボー!』も入らなかった」と、「HTT」が新語・流行語大賞にランクインしなかったことを残念がる場面も。それでも「夏は何とか(電力不足を)乗り切ったが、冬もまだまだ厳しい。いろいろと工夫しながら、『HTT』をキーワードにして実践いただくことで、この冬を乗り切って参りましょう」と述べ、「HTT」の浸透と冬の節電意識向上へ協力を呼びかけた。