日本に鉄道が開業して150年を記念し「ぶらり鉄道」と題してローカル列車を紹介する。第4回は茨城・龍ケ崎市を走る関東鉄道竜ケ崎線。

竜ケ崎線は佐貫駅と竜ケ崎駅を結ぶ日本初のワンマン路線。早朝5時26分に始発列車が竜ケ崎駅を出発し、23時20分に最終列車が佐貫駅を後にする。途中の停車駅は「入地(いれじ)」の1駅。わずか3駅7分間だが、1日40往復、約1300人の足となり活躍している。

2日間の取材の中で乗車したのが「キハ2001形号車」と「キハ532形号車」。特に「キハ532形号車」は不定期運行となっているので、かなり幸運だった。扇風機に丸いつり革、バックミラー。深紅の座席がたまらなくレトロ。運転席にいたっては、昭和そのもの。ワイパーはなんと手動だ。やや揺れがあるが、それもまた、味。幼い頃に乗った汽車を思い出し、ほっこりした。

2020年で開業120周年を迎えた。「新型コロナウイルスの影響で乗客数は多少減りましたね」と、竜ケ崎駅の野口正紀駅長は言う。

取材初日は雨だったが、2日目の夕方には晴れ間が差し込んだ。今、大変な世の中になっている。そんなときにこそ、ホッとする時間が大切なんだと、改めて感じた。【撮影と文・たえ見朱実】

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