参院議院運営委員会は27日の理事会で昨年7月の初当選から1度も国会に登院していないNHK党のガーシー(東谷義和氏)参院議員に対し、国会法に基づいて懲罰の手続きに入ることを尾辻秀久参院議長に申し入れすることで与野党が合意した。

国会法第124条第1項は議員が正当な理由なく、召集日から7日以内に召集に応じない場合は議長が招状を発し、その招状を受け取った日から7日以内に出席しない場合は懲罰委員会に付される、としている。

早ければ、30日にガーシー氏に対して登院を促す招状が提出され、7日以内に登院しない場合には、早ければ2月上旬にも懲罰委員会(鈴木宗男委員長)が開かれる可能性が出てきた。

ガーシー氏は昨年アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに滞在し、昨年2度の臨時国会を欠席し、今国会も欠席を続けているが、3月上旬に帰国して、登院する意向を表明しているが、帰国前に懲罰が下される可能性が出てきた。

議院運営委員会の理事会決定を受け、NHK党の立花孝志党首は「申し訳ないけど、くだらないことやってらっしゃる。3月になって(ガーシー氏が)来るか来ないかを議論されればいい」などと苦言を呈した。国会議員への懲罰は重い順に除名、登院停止、議場での陳謝、戒告がある。立花氏はガーシー氏に対する処分は「議場での陳謝、戒告のどちらかになるのでは。ただ国会に来ないだけで除名にはならないだろう」との認識を示した。

参院によると、参院議員に招状が出されたのは1949年に1例あり、国会欠席を理由に懲罰委員会にかけられた前列はない。ガーシー氏に懲罰が下された場合は参院では2013年に無許可で北朝鮮に訪問したアントニオ猪木参院議員が30日間の登院停止となって以来となる。