経済アナリストで独協大学教授の森永卓郎氏(65)が6日、文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」(月~金曜午後1時)に出演。岸田文雄首相の荒井勝喜秘書官が4日にLGBTなど性的少数者への差別発言で更迭された異例の事態について私見を語った。

首相のスピーチライターを務めていた荒井氏は3日夜、性的少数者や同性婚をめぐりオフレコで「隣に住んでいたら嫌だ」「見るのも嫌だ」「秘書官室もみんなが反対している」「同性婚を認めたら国を捨てる人がでてくる」などと発言。事態を重く見た首相は4日に荒井氏を更迭した。

森永氏は更迭された荒井秘書官の発言について「岸田総理も『同性婚を法律で認めたらどうですか?』って聞かれたら『社会が混乱するので嫌だ』といっている。秘書官のほうがはるかにストレートに差別を口にしたのですが、言ってること自体は岸田総理も同じですよ。だって『ダメ』って言ってるんだから」と一連の流れについて説明した。

実際に岸田首相は1日の衆院の予算委員会で同性婚を巡る問題について「制度を改革するとなると、家族観とか価値観、社会が変わってしまう」と述べていた。

番組の司会を務める大竹まこと(73)は「G7で同性婚を認めていない国は唯一日本だけ。広島のサミット心配ですね」と人権感覚がまひしている発言が官邸側近の口から出たことを危惧した。続けて「この社会の中ではカミングアウトできない人、言いたくない人もたくさんいる」と指摘。大竹は「総理は差別発言について『言語道断だ』と話しているわけだ。でも『言語道断』の意味が分からなくなっている」とし「この愚か者めが!」と政治風刺を込めて一連の差別発言を厳しく批判した。

また、森永氏は今回の秘書官の差別発言が官邸番記者によるオフレコ取材で飛び出したことについても解説。「たとえオフレコでも記者が『重大な人権侵害』でないかと判断した場合は書くべきだと判断する。一度本社に持ち帰って本社の上層部も通して会社として報道せざるを得ないという決断をして書いたものでした」と語り、発言内容がいかに人権感覚を欠いたものであったかを説明した。