東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から11日で12年を迎える。 復興を進める福島県双葉町と大熊町で4月15、16日に新たな自転車ロードレース大会「ツール・ド・ふたば」が開催される。コースは県の沿岸部を南北に走る国道6号。国道6号は「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)の避難指示が解除され、昨年8月末に自転車や歩行での通行が可能になった。大会を通して国内外に福島の今を発信し、交流人口の拡大と振興を目指す

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国道6号を、記者も自転車で走行してみた。双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館のすぐ近くで、自転車を無料でレンタル。「ツール・ド・ふたば」と同じコースをたどった。

大型トラックなどの通行量が多く、人けはほとんどない。約5時間走行し、サイクリングをする人を1人だけ確認した。歩道は整備されているところもあれば、草木が生い茂っているところなどさまざま。電気が通っていない歩行者用の信号機もあった。帰還困難区域や福島第1原発に続く道など、バリケードがいまだに設置されている場所があり、復興途上の最中にあると強く感じた。

大熊町出身で双葉町の町おこしの会社に勤める小泉良空(みく)さん(26)は「これまで、当たり前にはイベントとかはできなかった地域だったので、地元の1人としてうれしい」と笑顔を見せた。【沢田直人】