藤井聡太竜王(王位・叡王・棋王・王将・棋聖=20)が史上最年少での名人獲得と7冠に向け、渡辺明名人(39)に先勝した将棋の第81期名人戦7番勝負第2局が27、28日の2日制で、静岡市の「浮月楼」で行われる。対局を翌日に控えた26日、両者は現地入り。前日検分を行った後、ファンや関係者ら約120人が出席した前夜祭で、決意表明を行った。
「少し緊張しています」。藤井は渡辺よりも先にマイクの前に立つと、こう話した。タイトルに初めて登場した3年前からしばらくは、コロナ禍で盛大な前夜祭は行われていなかった。ただ、そこから先は流れるような指し手同様、スラスラとスピーチした。「第1局で、名人戦という舞台で対局できる喜びや楽しさを感じました。その気持ちをもって2日間、盤上に集中して頑張ります」。
浮月楼では、渡辺名人への挑戦権を争って先月に行われたA級順位戦最終9回戦で、稲葉陽八段(34)に快勝した。予行演習済みだ。
しかも、静岡県でのタイトル戦はこれまで5戦5勝。初勝利と2勝目の相手は渡辺だった。最初は2021年(令3)7月の棋聖戦5番勝負第3局(沼津市)で、挑戦を退けた。3連勝で史上最年少でのタイトル初防衛を果たすとともに、九段に昇段した。続く翌年1月の王将戦7番勝負第1局(掛川市)では、渡辺王将(当時)の当地7連勝を阻止して史上最年少5冠への足掛かりを築いている。
その渡辺には現在17勝3敗。相性がいい。「1局ごとに緻密に戦略を立ててくる」と評するが、しっかり対応して勝ちに結び付けている。データを追い風に、連勝して史上最年少名人獲得に近づきたい。
対する渡辺も浮月楼での名人戦は初めて。「第1局は敗れてしまったが、密度の濃い、充実した時間を過ごすことができました。今回も満足できる内容の将棋を指したい」と語った。【赤塚辰浩】

