日本維新の会の鈴木宗男参院議員は6日、ガーシー容疑者が滞在先のアラブ首長国連邦(UAE)から事実上の国外退去処分を受けたとみられる帰国の背景について、「外務省もかなり動いたと聞いている」と明らかにした。

容疑者は逮捕状が出た後も動画を配信して「日本には戻らない」などと繰り返していたが、4日に突然、Tシャツに短パン姿、荷物も現金も所持せず、スマートフォン1台だけを持って帰国となった。外交通としても知られる鈴木氏は「少なくとも半年、国会議員をやった人ならば、法に基づく態度を示して欲しかった」と容疑者の帰国までの対応を批判した。

容疑者の旅券は、4月に失効し国際手配もされていた。日本の警察当局は5月に捜査員を派遣し、UAE当局に協力を依頼。関係者によると、4日朝にUAE側から急に日本側に「飛行機に乗せる」との連絡があったという。帰国時の状況については、容疑者はドバイで突然、UAE当局者に同行を求められ、出国を促されたとの情報がある。別の関係者によると、UAE当局が用意した成田行きエミレーツ航空機の座席は最後列のエコノミー席。捜査員は同乗せず、周辺は空席で、一般乗客との接触を避けるため当局が押さえたとみられる、などの情報もある。警視庁は「自主的な帰国ではない」と説明している。

鈴木氏は、参院懲罰委員長として容疑者について2度の懲罰委員会に携わったいきさつもある。