現役の競輪選手が村長になった。7月30日に投開票された長野県原村の村長選挙は、元スピードスケート五輪代表で現役競輪選手の牛山貴広氏(42=茨城)が初当選した。

新村長に当選が決まって一夜明け、牛山氏は本紙の取材に「以前から長野に帰っており、地元を元気にするには、やれることは何かと。スケートや自転車の関係を通して活動するうちに、春ごろ出馬を決意しました。ご支援していただいた皆さまのおかげで当選できました」と語った。

そして、「競輪選手としては引退です。師匠の武田豊樹さんにご報告し、『また頑張って』と言っていただきました。今後、引退の手続きをします」と話した。

牛山氏はスピードスケート時代、主に中長距離種目に挑み、06年トリノ五輪で男子パシュート団体追い抜きに出場(結果は8位)。引退後は、五輪出場による特別枠で競輪学校(現・選手養成所)92期に合格すると、その鍛え抜いた心肺機能と強地足を武器にデビューから活躍。G1出場の常連になり、2度のG3優勝を飾った。通算213勝。28度の優勝を飾り、競輪の最高峰とG1日本選手権で13、16年に決勝進出した実績を持つ。生涯獲得賞金は3億3960万1700円。

粘り強い走りでリンクやバンクを沸かせた自在派は、今後はスケートや自転車の経験を生かしながら、地域の活性化に尽力する意向だ。