前東京都知事で国際政治学者の舛添要一氏(74)が23日までに、音声プラットフォーム「Voicy」を更新。日本における所得格差の拡大について問題点を指摘した。

舛添氏は、厚生労働省が公表した所得格差の2021年調査結果に言及。世帯ごとの所得格差が、過去最高だった14年調査に次ぐ水準に拡大していることに、「これは実感でもある。本当に高級車とか高級な腕時計とか、お金持ちの人はたくさん買っている。しかし貧しい人は今日のごはんをどうするんだろうというような感じにもなっている」とした。

公的年金の給付などを含む再分配後の所得格差についても「結構、大きな差だと思う」と舛添氏。所得格差が拡大する背景について「日本はチャリティの精神がない。お金持ちは儲かったらその分を社会に還元する、アメリカなんかはそうなんですね。たとえば1億円稼いだら、その1割の1000万円は社会に寄付すべきだと。私の大金持ちの友達なんかはみんなそういうことをやっているが、日本はそういうことをやる形にもやれる税制にもなっていないので、結局は累進課税的に高額所得者から取っていくしかない」と解説した。

ただ、累進課税制度についても「これをあまりやりすぎますと働く意欲がなくなっちゃう。『せっかく稼いだのに全部持って行かれちゃう。なんだ』みたいな不満が出てくる。さじ加減が非常に難しい」と問題点を指摘。「だんだんこの日本もいつ病気になったり貧しくなったりするかわからないですから、そのときに住みにくい社会というのはあまり良くないなと感じる。政府を頼れないということになれば、貯蓄をして老後に備えるしかないということになる」と話した。